連続人形劇 新八犬伝

連続人形劇『新八犬伝』は、「仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌」の珠(たま)を持つ八犬士が、怨霊や妖怪相手に戦いを繰り広げる奇想天外な物語。江戸時代の代表的な読み本作家・曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』をもとに作られ、1973(昭和48)年4月から1975(昭和50)年3月まで、全464話が放送されました。
『新八犬伝』は、もともと1年間の放送予定だったが、話題沸騰で1年間延長され、2年間の放送となった。
個性豊かな八犬士たちの人気とともに、「われこそは、玉梓(たまずさ)が怨霊(おんりょう)…!」とおどろおどろしく登場する玉梓の迫力も当時は珍しく悪役でも人気だった。
そもそも物語の発端は…
時代は今から500年余り前。安房の国(現在の千葉県の南)館山城主、里見義実(よしざね)は、隣の国の卑怯な大将、安西景連(かげつら)に突然、城を囲まれた。もはやこれまでというとき、義実は、ひとり娘の伏姫(ふせひめ)がかわいがっていた飼い犬の八房(やつふさ)にたわむれでこう言った。
「敵の大将の首をとってこい。そうしたら、伏姫(ふせひめ)のムコにしてやる」

ところが、八房は本当に景連を噛み殺し、首をくわえて帰ってきた。お陰で戦は里見軍の大勝利。だが、それからというもの、八房は16歳の伏姫にまとわりつき、引き離そうとすれば暴れるばかりだった。たとえたわむれとはいえ、父が言った約束。それを守るために伏姫は八房とともに城を出て、富山(とみさん)の洞窟にこもった。
実はこの八房には、怨霊(おんりょう)がとりついていた。里見義実とその家来、金碗(かなまり)大助によって殺された、悪魔のような若い女・玉梓(たまずさ)の怨霊が…。

伏姫 非業の最期に飛び散った八犬士
悲劇はまもなく起こった。愛する伏姫を連れ戻そうとやってきた金碗大助。彼が撃った弾のうち、一発は八房のみけんを、そしてもう一発はなんと、伏姫の胸を貫いたのだ。
その時、伏姫の首にかけた数珠(じゅず)が空にのぼって、8匹の子犬の姿になった。息を引き取る間際、伏姫は言った。
「私は8人の子どもたちをこの世に残してまいります」
8匹の子犬は再び8つの珠(たま)に姿を変え、八方に飛び散った。その一つ一つには、仁(じん)、義(ぎ)、礼(れい)、智(ち)、忠(ちゅう)、信(しん)、孝(こう)、悌(てい)の8つの文字が。
愛する伏姫を撃ち殺してしまった金碗大助は髪を切って大法師(ちゅだいほうし)となり、伏姫の残した8人の子どもたち=八犬士を捜し求める旅に出る。

襲いかかる怨霊や妖怪たち
それから10数年後。諸国に輝く珠を持った若者たちが、次々と姿を現わす。彼らは自分自身でも伏姫ゆかりの八犬士とはなかなか気づかずに、互いに出会いと別れを繰り返す。しかし、みな、体のどこかには1か所、八房と同じブチ模様の牡丹のあざがあった。
玉梓の怨霊とその手先の悪女・舟虫は、八犬士の行くところ必ず現れ、安房の国にたたりをなさんとする。次々に、八犬士たちに襲いかかる怨霊や妖怪たち。悪の総大将、関東管領・扇谷定正の魔の手もまた、安房の国へと伸びてくる。
しかし、八犬士たちには伏姫の加護があり、役の行者の霊験があり、なによりも血を分け合った兄弟よりも強く深い契りの友情がある。
「いざとなったら珠を出せ!」
数奇な運命の糸に操られながらも八犬士たちは、苦しみを乗り越え、悲しみを分かちあい、理想を追い求めてまた、新しい事件に立ち向かう。


当時芸能界デビューから15年、歌手として、俳優として乗りに乗っている“九ちゃん”こと坂本九さんは、収録のラジオスタジオに入ると、靴も靴下も脱ぎ、裸足になってマイクの前で熱演。さらに、ナレーションだけでなく、頭巾に九と書かれた黒子姿で画面上に登場し、物語や、次々と登場する八犬士たちなど登場人物、物語の舞台や歴史背景について、故事や格言をふんだんに使った講談調で解説した。
さらに、九ちゃんが歌う番組のテーマ曲「夕やけの空」も人気だった。

辻村ジュサブローの世界感は、
『新八犬伝』のおどろおどろしい世界を見事に描き出しました。人形師・辻村ジュサブロー(現:辻村寿三郎)は、当時40歳の新進人形作家は、この作品で一躍、注目を集めました。
ジュサブローが手掛ける人形の顔は、和紙を張り合わせた上にちりめんを張って作られた。髪は染めた綿糸で作られ、それを髪飾りでまとめられた。人形の重さは、着せる衣装によって多少違うが、1キロから重たいものだと3キロもあった。黒子をまとった人形操作の担当者にとって、汗だくになりながらの重労働だったという。
陰の主役ともいわれる怨霊の玉梓(たまずさ)だけはジュサブロー自らが操り、そのおどろおどろしい動きは天下一品だった。

    放送期間
    1973(昭和48)年4月2日~1975(昭和50)年3月28日 全464話
    放送時間
    総合テレビ 月曜~金曜 18:30~18:45
    脚本
    石山透
    音楽
    藤井凡大
    人形
    辻村ジュサブロー
    語り
    坂本九
    声の出演
        犬塚信乃、犬田小文吾、里見義実ほか:近石真介
        犬川額蔵、犬村角太郎ほか:木下秀雄
        犬飼現八、扇谷定正ほか:斎藤隆
        犬山道節、ゝ大法師ほか:川久保潔
        犬坂毛野、栞ほか:花形恵子
        犬江親兵衛:関根信明
        玉梓:阿部寿美子
        伏姫、浜路ほか:鈴木弘子
        役の行者、技平ほか:穂積隆信

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